頂芽優勢について
暑い!!デブにはきつい時期になってきました!
痩せたい!でも食べちゃう💦
庭師にデブはダメですねw
腹が邪魔でかがめない、重くて木が折れる、木に引っかかる、いい事ない!やば、、、痩せなきゃ。
というわけで、今日は頂芽優勢の話です。
(どういう訳だ)
ご家庭の植物たち。
暖かくなって伸びてきてませんか?
そろそろ剪定の必要な時期ですね。
でも、家庭で大切に可愛がっている植物にハサミを入れるって抵抗ありますよね〜。
なんか、ひどいことしてるみたいでかわいそう、、、
お気持ち、よーくわかります。
だけど、木的には、カットしてあげた方が、若返っていいことなのです。
さて、園芸に詳しい方々には、剪定のやり方とか、頂芽優勢がなんだという話は、釈迦に説法ですね。
なので今回は、簡単なお話から、ちょっと生物学的なお話を交えて、お話ししていこうとおもいまーす🤗
剪定と頂芽優勢
植物をパチンと切ると、また生えてきますよね!当たり前ですが、植物はカットして終わりというわけではありません。(ヤシ類など一部例外あり)
枝を切ると、次に控えている新芽が動き出して、どんどん伸びていくシステムになっています。
元々は、植物が動物などに食べられた時に、枝の数を増やして、自身が生き残る確率を上げる事が理由です。
すごいメカニズムですよね!頭いい!🤗
痛い!かじられた!
うわー!先っぽが食べられてしまった!
枝一本ではダメだ!もっと枝数を増やして伸ばせー!
植物の体内ではきっとこんな感じで大騒ぎしているんでしょうねw
剪定して一本の枝を切ると、2.3本新しい枝が出てきます。
不思議ですよね〜。本当によく工夫されています。
この働きを利用して、植物の枝振りをよくするのです!
枝振りが良いと、かっこいい樹形になりますね👍
そして、植物はテッペンに生えている枝を最も成長促進させる機能があります。
これを、頂芽優勢といいます!
葉の付け根をよく見ると、小さな突起があると思います。
これが次に出てくる芽です。脇芽と呼ばれていますね。
次に出てくる芽は、カットした後、一番てっぺんにある脇芽です。
芽が出る方向を予測してカットする事で、成長した後の枝の姿を予想する事ができます。
頂芽優勢のメカニズム
この頂芽優勢には数多くの植物ホルモンが関与しています。
植物ホルモンとは、植物体内の機能を引き起こす信号となる物質です。
細胞が植物ホルモンを受け取ると、遺伝子からタンパク質が細胞が生産され、植物体内で変化が起きるのです。
つまり、植物ホルモンは、植物細胞の中の遺伝子を発現させるためのキーになる物質です!
では、植物の枝がカットされると、体内ではどんな反応が起きるのでしょうか?
オーキシンの働き
通常状態では、植物体内ではオーキシンという植物ホルモンが働き、脇芽の成長を抑制しています。
だから脇芽は成長せずジッとしているんですね。
枝が切られると、オーキシンの濃度が薄くなり、脇芽の成長抑制効果が弱くなってきます。
そもそもオーキシン自体、遺伝子が信号を受けて発現されるものです。
遺伝子は通常オーキシンを発現してますが、カットされると、刺激で遺伝子が信号を受け、オーキシン発現が抑制されます。
そして、別の植物ホルモンが働きます。
サイトカイニンの働き
オーキシンにとって代わり働くのは、サイトカイニンという植物ホルモンです。
これはオーキシンとは逆に、植物の成長促進を司るホルモンです。このサイトカイニンが働く事で、脇芽の伸長が生じます。
オーキシンの濃度が低くなり、サイトカイニンの濃度が高まる事で、脇芽が伸びる仕組みです。
現在の研究
今のところサイトカイニンとオーキシンの相互バランスによって、脇芽の伸長が決定する事が分かってます。
このほかにも、ジベレリンという別の植物ホルモンが働いている事がわかってます。
しかし、正確な遺伝子の働きはまだ研究されている最中で、世界中の研究者の方々が日々努力を重ねております。
こんな感じで、カットしたところから何本か枝が伸びています。
一番高いところに位置する枝が旺盛に伸びてますね。
これが、頂芽優勢ですね!
あと、物理的に枝の位置を比較すると、頂芽優勢が崩れて、現実的に一番高い位置にある芽が優勢に伸びていきます。
盆栽で枝を曲げたり、ネペンテスの鶴を下に伸ばすと、成長が止まり、脇芽の成長が促進されました!
やはり、太陽の光に一番近くなるように枝を伸ばしているわけで、役に立たなくなった枝は無視して、一番空に近い枝を伸ばすんですね!
んーー、面白いメカニズムですよね。
自然界で生き抜くための工夫が詰まってますね!
剪定の時期なので、
ご自宅の植物も是非カットしてサッパリしてあげてください!