落ち葉の話
やっと最近になって都内でも紅葉が見られ、銀杏並木が黄色くなってきました。
山間部の方ではもう葉が散っているところもありますが、やはり東京のコンクリートジャングルでは温度が保温されて暖かいんですね。
さて、冬になって外で育てている植物の管理も本格化してくるこの頃。
先日ガーデニングに関する学術会議に参加した仲間からこんな話を受けました。
「とある大学の先生が、落ち葉は取らないでそのままにしておくと良いらしい。って話してたよ!」
と、ちょうどお庭のメンテナンスで落ち葉をきれいに掃除している時に言われましたw
実は個人的に落ち葉を残しておくことは大賛成!
掃除の手間が省けるからとかではないですw
落ち葉は天然の肥料です。そして、ひざ掛け
としての働きもあります。
さて、今回は落ち葉のお話を生物学的目線でお話ししたいと思います。
○落ち葉は肥料?
落ち葉は地面に落ちると、虫達や、土壌中や空気中の微生物により分解されます。
虫に食べられると、虫のウンチが土になり有機物を多く含んだ良い土になります。
ここで葉っぱを食べて良い土にしてくれる虫は、ダンゴムシ、ワラジムシ、ヤスデなど見た目はちょっとクセが強い面々。
でもこの虫たちがとても良い土を作る良い働きをしてくれるのです。
そして、微生物の働き。
よく山なんかで、葉っぱが分解されて、葉脈だけになってる姿を見たことありませんか?
スケルトンみたいな葉っぱで個人的にはかっこよくて好きです。
どんな流れで葉が分解されているのかというと、
まず、葉っぱ一枚といえど、微生物らしたら大きな大きな塊です。
微生物は葉に含まれている有機物を食べたいのですが、そのままでは食べられません。
そこで、強力な分解能力をもつカビ・キノコが葉を最初に分解します。
キノコは担子菌類、カビは糸状菌類と言われいます。(ものすごい種類があるので、必ずしもそうではないですが。)
これらは菌糸と呼ばれる、触手のような細胞をニョロニョロ伸ばして、植物の細胞の間まで侵入してきます。
その進行は凄まじく、あっという間に体の奥深くまで蝕むほどです。
そして、菌糸から酵素を分泌して、大きな有機物を小さく分解します。
葉は主に、リグニン・セルロース・リグセルロースなどの成分で構成されます。
なんだ?って感じですが、イメージ的に、繊維質のものがセルロースやリグセルロース。
繊維質を埋め尽くすのがリグニン。
鉄筋コンクリートみたいなものを想像してください。植物の体はこの主要な三要素でできています。
セルロースやリグセルロースは糖からできているので、微生物たちはこぞってこのセルロース群を食べに菌糸を伸ばしていきます。
そこに立ちはだかるのは、コンクリートのようなリグニン。
そう簡単に鉄骨まで侵入させません。
そこで担子菌類や糸状菌は、菌糸からペルオキシダーゼと呼ばれる酵素を分泌し、リグニンを溶かして進んでいきます。
セルロースにたどり着くと、うまうまと糖を食べることができるのです。
リグニンがボロボロになったらもう怖いものはありません。
分解力の弱い細菌たちもこぞって葉を分解し始めるのです。
セルロースは大きいので、カビが食べて分解して、小さくなったものを細菌が食べて。
食べ残すことなくしっかり分解してくるれるのです。
リグニンも貴重な有機物ですから、他の微生物などにより分解され、すっかり無くなります。
これが落ち葉の分解のお話です。
この分解が進むと、菌のコミュニティがバランス良くなり、微量元素と結びつくことで有機肥料とならのです。
また、分解・醗酵が進むと化学反応で熱を持ちます。
腐葉土って暖かいですよね?醗酵された土は熱を持ち暖かくなるのです。冬には湯気が出るくらい暖かいです。
つまり、落ち葉をそのままにしておくと、微生物の力で発酵が進み、肥料と温度の確保ができ、さらに微生物のバランスが取れるというわけです。
やはり人為的な薬剤投与よりも、自然な化合物の循環が最強なんですね。
自然には敵わないです!ロギア系の能力者は強いです!(ワンピースネタかよ)
ア〜〜イス・タ〜〜イム!
ちなみに、私はドルトンさんに似ていると良く言われました。
うん。確かにこんな感じだ。
それではまた!
See you next time!